「50音の二つのコラールと50小節の三つの変奏曲」


水野 勉

今回は「50」という数を主体にした曲です.その訳は、さる所で「アメリカのガンバ協会が50に因んだ曲を集めていて、50秒の曲を誰かが作った」云々、と聞き及んだところにあります.50周年記念だそうですが、面白いことをするものだと感心し、私も試してみた次第です。

しかし、いざ考え始めると、何を「50」とするか、なかなか面白い悩みで、「50秒」はどなたかが試しているようだし、「50分」では長すぎるし、「50声」は考えるのが嫌だし、「50曲」も前途多難すぎるしで、結局まずは4声で50の音、となりました. 良い加減に思い付きを書き出して、音符を数えながら(タイで結びついた音符は一つとします)その数を調整し、出来上がった最初のコラールを眺めると、どうしても「短い」.で、2番目のコラールを追加.その時点で、コラール変奏曲を構想し始め、第2変奏を考えながら、50小節でまとめる着想を得て無事終わることができました。

出来上がった後でこじつけて見ると、最初のコラールはこれまでの50年、二つ目のコラールはこれからの50年.変奏曲に取り掛かかれば、紆余曲折はありそうですが、一層の発展が期待できそう、などとも言えなくもない…でしょうか. 秋の夜長の余興に試していただければ幸いです。


会報No146 (2012/9/20) 掲載
© 2012 by Tsutom Mizuno